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作業場より愛をこめて(From Workshop with Love)

御来店されたお客様が語られたのは”新たに仕事を始めるので作業場が欲しい!”という熱い想いでした。
お客様の頭の中には既に作業場で仕事をしているイメージが完成していたのでしょう。
弊社を訪ねて来られる前に、完成品を据付けるだけのユニットハウスも検討されたらしいのですが、前面道路の幅員が狭く、設置出来なかったそうです。大工さんに木造で建てて貰う事も考えられたそうですが、そこまでの規模でもなくて...。
小規模で定型でも支障が無い建物であれば、モジュール化して量産するメーカーの組立てハウスの方が、費用を抑える事が出来るのでご要望を詳しくお伺いしました。

作業される内容はごく一般的なもので、特殊な設備なども必要なく、リーズナブルな価格の普及タイプでサイズ9帖(1.5間×3間)を提案しました。
框ドア・掃出し・引違い窓×各1の標準で、他にこれといったご希望のオプションもなく、重量物設置部分には合板を敷込み、荷重を分散させて貰うよう案内する程度でした。
すんなりと提案を受領して頂き、いよいよ工事スタートです。

工事内容としては、基礎工事と本体組立工事という気象条件依存度100%の内容で、当然のように工程表では基礎工事7日(予備日含む)養生期間一週間、本体組立工事二人で3日 と予備日たっぷりてんこ盛りの工程となっていましたが、基礎工事四日弱、本体組立工事は職人さんの都合で、五人で一日というパワープレイにより、短工期に更に拍車がかかる工程となりました。

早い・安全・リーズナブルな価格で工事が終りようやく念願の作業場を手に入れることが出来お客様も大変ご満足されていました。

年末年始休業のお知らせ

平素より格別のご愛顧にあずかり有難う御座います。
誠に勝手ながら、弊社では下記日程を年末年始の休業とさせて頂きます。

休業期間中のお問合せにつきましては
営業開始日以降に順次回答させて頂きます。
御迷惑をお掛け致しますが、何卒宜しくお願い申し上げます。
末筆ながら、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りしております。

その門扉 好評につき

今回は県境を超えて熊本県は山鹿市にお邪魔しました。
暫くサッシの紹介が続いていたので久しぶりのエクステリア工事案内です。
お施主様から”関係者以外の人が勝手に入って来ないように敷地出入口に門扉を付けたい”というご依頼を受けました。
そこで、先ずは現場百回 なんて大層なモンじゃありませんが、現況を確認した上でお勧めすべき製品を選定することから、捜査は始まるので、早速敷地出入口を見せて頂きました。

敷地出入口は、大型車両が出入りしても支障がない ゆとりのある間口で第三者が大手を振って立入るのを、阻むものは皆無でした。6mの接道部分左右で約130mmの傾斜と、敷地奥から接道面に向かって勾配をとってある点が、製品選びの鍵を握りそうです。
帰社して調べたところ、開口幅6m超で勾配付・傾斜地対応ということで、製品が限りなく絞られてしまい、ノンレール・ノンキャスター・標準高1,100mの両開きで高低差が調整可能な製品を提案し、ご採用頂きました。
レールタイプやキャスター付きの場合、門扉設置部の床面は、フラットな仕上げが必要ですがこの製品はノンレール・ノンキャスターの為、勾配が付いてたってへっちゃらです。またG.L.から本体下端までの離隔を100~300mmの範囲で調整可能なため、高低差が200mm以内の傾斜地なら平気の平左衛門です。

製品が決まったら、お施主様への支障が少ない日に工事を設定し、いざ設置です。
一日目は柱の埋け込みです。設置部分には既に土間コンクリートが打設してあるので、埋け込むためには土間をハツリとる作業が生じます。
今回は土間併用なのでコア抜きとしましたが、そうでない場合は吊元の柱位置に500mm角・深さ500mm以上の穴掘りが必要で、廃土を詰めた土嚢袋が苦しそうに悲鳴を上げます。
既設の土間は打設厚が半端なく、当然鉄筋がしっかりと敷設されているので、これまた一仕事です。柱の位置出しをしてレベルを確認し、柱を埋け込んだら初日はおしまいです。
2日目は、門扉本体を吊込み調整を済ませるとシュッ とした門番さんの誕生で、工事は終了です。

”この先は通さない!”と云わんばかりに敷地への侵入を防ぐ門扉は、現在世界中の話題をさらっているサッカーのゴールキーパーをも凌ぐ頼もしさで、これからは枕を高くして休めると、お施主様にも好評でした。

動かないラッチ 文字通り”らちがあかない”

対象は築年数が40年にもなろうかという、RC(鉄筋コンクリート)造のアパートの浴室ドアで不具合に関するお問合せを受けて、太宰府まで足を延ばして来ました。
到着後浴室に向かうと、ドアが半開きで”ア~ん”していました。よく見るとラッチ(建具の小口面から出入りするベロのような金具で、このベロが入る受け金具がストライク って、ネーミングセンス良過ぎでしょ)が錆びついて動かず、サッシ本体もかろうじて生き延びている様子で、部品交換に留めても、そう遠くない将来、本体が天寿を全うすることは明白なため、サッシ丸ごと取替えることになりました。

既設サッシは中桟付きの片開き框ドアで、上下共に型板ガラスが入っていました。他のサッシと同様に壁をイジると工期が長引き、銭湯通いの日数が増すので、”簡単に・パッ”と交換出来るリフォーム用浴室ドアのカバー工法タイプを採用しました。
他のカバー工法の製品と同様に、施工性が優位であることは変わりません。割れにくく安全性の高い樹脂パネル、ビードを脱衣室側に配置して掃除がしやすく、カビの発生・浸透を抑えたパッキン浴室内の湿気放出用として下桟に換気口を内蔵など、なかなかの優れものです。

施工の流れは、既設のドアまたは折戸を取外し既設枠の上から新しい枠を取付け、取合い部にシーリング処理を施し、新しい折戸を吊り込めば、アッという間に工事終了。惜しむべくは、銭湯に行くチャンスを奪った事です。
今回はコンクリートに固定する為、既設アルミサッシ枠にビス用の穿孔、躯体コンクリートにあと施工アンカー用の穿孔、と双方に穿孔作業が生じます。それでも工事は4時間で無事終了帰路は鼻歌まじりのドライブとなりました。

ヨレヨレだったドアが銀ピカになり、浴室内を美装されたこともあって、まるで別のお風呂に生まれ変わったようで、お施主様も大変喜ばれていました。

無憂樹 沙羅双樹 菩提樹

お釈迦様がその下で悟りを開いたとされる聖木シューベルトの連作歌曲集「冬の旅」の中で最も有名な第5曲のタイトル(Der Lindenbaum)でもある菩提樹は、トステムの玄関引戸として昭和58年華麗にデビューを飾り、障子のデザインやカラーバリエーションは減りましたが、現在でも第一線で走り続けています。

築年数50年超の今回のお宅の玄関は、最近ではあまり見られなくなった木製引戸で、永年住まいを守り続けてきた風格を感じます。取替えてしまうのは惜しい気もしますが、足元には10cm程の段差があり、開閉にも支障が生じ始めていたのでお施主様には思い入れを振り切って頂きました。

今回の工事では、下枠埋け込みの為、サンダーを入れてハツリ取る必要があり、屋内で粉塵が浮遊しない様に、シートで養生後、サンダーが吐き散らす粉塵を集塵機から伸ばしたホースで呑み込みました。その後、組上げたサッシ枠を建込み、建ち・陸を確認したら、下枠の周囲をモルタルで補修します。
カバー工法ではなく、ハツリと補修作業が必要だった為、1日で終わりませんでしたが、手間ひまかかった分、申し分のない仕上りとなりました。

工事後、和風住宅に合う伝統的な格子を生かした”菩提樹”はまるで、永年そこに居たかのように、違和感なくとけ込み、ぴったりとハマり過ぎで、お施主様もあまりの違和感のなさに不思議さを覚えずにいられなかったそうです。