今回は、サッシ取替工事でお世話になっている お宅での手すり設置工事のご紹介です。
こちらのお宅では、四ヶ所のマドをシャッターサッシに取替える工事をさせて頂いておりました。
その際に年配のご夫婦の御施主様から ”最近上り下りがキツくなってきた!” というお話を伺いました。
身近に高齢の方がいらっしゃればお分かりになると思いますが、齢を経るにつれて少しずつ腰が曲がり、前傾気味になって姿勢がとても不安定に見えます。外出時の歩行補助には、手押し車や杖が必須アイテムとなり、次第に外出を控えるようになってしまい、体力低下に拍車がかかるという悪循環に陥っていきます。
小さな段差でもバランスを崩し易くなり、段差の大きい昇降の際には、かなりの時間と体力を費やさなければなりません。
時期が異なるだけで、遅かれ早かれ誰もが避けて通れない未来です。
詳しくお話を伺ってみると、現状の動線で支障をきたしているのは、昔ながらの内土間式の玄関における昇降でした。
今現在、昇降出来なくなられている訳ではないのですが、動作時にわずらわしさを感じていらっしゃる様で、経年と共に必然、その危険性も増していくので、安全を差し置いて優先すべきものは無しということで、昇降動作の補助を目的として、手すりを設置しました。
設置個所は柱で、露出で這わせてある電気配線やコンセントに少し場所を譲って貰い、長さ600mmのⅠ型手すりを縦方向にガッチリ取り付けました。
一言に手すりと云ってもなかなかに奥が深くて、縦のⅠ型・縦横L字型・水平や斜め方向に連続したものなど設置の仕方も様々で、揺れる乗り物内での姿勢保持やつたい歩きの際の歩行補助出入口で扉を開く⇒方向転換⇒歩行の一連の動作補助、トイレ内で便器への着座と立上りの際に姿勢を安定させるなど、目的に応じて設置の仕方が異なります。
設置する高さも、体の大きさや高齢者対応か等により目安とされる(手首・付け根の)高さがあり、さらには階段のように、前のめりになって転倒・転落しないよう少し高めになど様々な要因を考慮した上で決定します。
階段に設置する場合幅に余裕があれば両側に、狭い場合は降りる際に利き手となる側に取り付けます。
形状も横長で手のひらや腕全体で支えられるタイプ(半面握り辛い)、丸い形状で握力に自信の無い方には不向きですが、指がしっかりと回り込んで、安心のグリップ感が得られるタイプがあり、今回は縦方向に用いるので後者を選択しました。
また、手すり端部が飛び出していると衣服や物が引っ掛かるので、壁側や床側に曲がったものが好まれます。
様々な要因を考慮の上設置した手すりに、お施主様には大変満足して頂き、無い知恵を絞った甲斐がありました。