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お施主様と職人さんと一緒に築いたプラン39

10月15日(木)
昨日、熟練工である左官さんの御父上の手に操られた乱形石達は、その周囲をカラーコーンにガードされながらも、見事なハーモニーを奏で始めています。
先に施工が終わり、この後に手掛けられていく、化粧砂利洗い出し仕上げ・コンクリートなど周りが徐々に仕上がっていくのを、心待ちにしているかのようです。
乱形石自体、形がまちまちで色合いもそれぞれ異なり、石の配置も唯一無二で、それだけでも十分に趣深いのですが、周囲の異なる仕上げと相まって、さらに重ねた音に奥行や深みが加わりコラボっていきます。

通路部分と一緒にコンクリートを打設するガレージ北面では、ワイヤーメッシュが敷設してあります。
奥の段差を付ける位置には縁石が据えられ、サイコロブロックが間配りされ、ガレージ手前のラインに止め枠を設けてあります。
右手前に打ち込んだ鉄筋にはお約束の鉄筋キャップがかぶせてあり、カラーコーンを使って仕切ってあります。
明日は朝からコンクリート打設なので、前日である今日はいつも通りその段取に追われる左官さんでした。

お施主様と職人さんと一緒に築いたプラン38

10月14日(水)
皆様、大変長らくお待たせしました。
いよいよ主役の登場です、石 貼っちゃいますよ!
施工して頂くのは、熟練工である左官さんのパパです。
この方も息子様同様、いつもニコニコ笑顔を絶やすことなく言葉少なな職人様です。
少しお年を召されていて、工事初期の猛暑の際に体調を崩されたことがありました。
その際には日陰で静養して頂き、正午頃に帰路に就かれたので、御自宅まで車の後ろをついて行き、無事御帰宅を見届けました。
”まだまだ若いもんには負けられねぇ!”と、今日は腕によりをかけて石貼りに励まれています。

師である御父上にアプローチの石貼りを任せて、写真下では通路部分の下地調整を行なっています。
実を言いますと、この前日お施主様から会食のお招きにあずかり、お施主様ご夫妻と左官さんの四人で豪華な晩餐を共にしました。
大好物のワサビをテンコ盛りで頂き、感無量の一瞬を堪能しました。
一次会の後に、左官さんが体調不良で帰宅されたので心配したのですが、翌日無事現場に入られていて、元気そうな顔を見てホッとしました。
私はと云うと、23時過ぎに二次会会場から自宅まで送って頂き、少しだけワインを飲んで就寝しました。
ハンドルキーパーの奥様、本当に有難う御座いました。

お施主様と職人さんと一緒に築いたプラン37

10月13日(火)
今日は、アプローチに隣接する車乗入れゾーン(コンクリート仕上げ)をランマ(Rammer:突き固めるという英語が語源の締固め機)を使って転圧しています。
と、文字にするのは簡単なのですが、写真でお判りのように面積がハンパないです。
まるで広い荒野を開拓でもしているかの如く、ちょっとやそっとやっても先が見えないって感じです。
そして特にお施主様が、後々の沈下を危惧されていたので、不安を払拭する為には普段にも増して手抜き出来ません。
もっとも、この職人さんの辞書の中から手抜きという文言を発見するのは不可能でしょうが。

下の写真では、先日テラスに設置した照明器具の回路を、電気屋さんに分岐して貰っています。
センサー付き一台を含めた五台の軒下シーリングを設置したのですが、お施主様の御要望でセンサー付き一台の回路を分けて貰っています。
結構広範囲を賄ってくれる器具で、普段はセンサー付き一台だけで充分という理由でした。
こちらの職人さんもお行儀良く、脚立の下には毛布を敷き込んで養生して貰っています。
一つは”既に仕上がっているお施主様の物”というのがあり、もう一方では”他の職人さんが手掛けた仕事を汚したくない”という職人さん同士のリスペクトもあるようです。
これからの時代気遣いの出来る職人さんしか生き残っていけないようです。

お施主様と職人さんと一緒に築いたプラン36

10月11日(日)
えっ!日曜日もお仕事?そうです、9月初旬の台風での遅れを取り戻すべく、左官さんから日曜出勤の申し出がありました。職人さんだけに働いて貰うのは心苦しいので、日中チョット顔を出して現場の状況を確認しました。
上の写真では独立門柱の奥に、アプローチ(化粧砂利洗い出し仕上げ)と通路(コンクリート仕上げ)の縁を切るレンガが見えています。
アプローチは、石貼りと洗い出しで仕上げ厚が異なるので、ベースの高さも違っています。
このベースの上に、仕上げ材が盛り付けられた画を想像しただけで WAKU WAKU してきます。
仕上りが楽しみになってきました。

写真下は、共にコンクリート仕上げの通路と車乗入れゾーンを隔てる縁石でここで60mm段差を付けます。
最初は100mm段差を付ける御提案をしたのですが、”歳をとっていくので出来るだけ段差は低くして欲しい”という御主人の御要望を受けて段差を小さくしました。
まだ施工して間もないので養生の目的もありますが、つまづいて転倒する可能性も否定できないので、カラーコーンで丁寧に仕切ってあります。
こんなところからも、ウデだけではない職人さんの真面目な人柄が伺えます。
クセの強い方が多い中で素晴らしい職人さんです。

お施主様と職人さんと一緒に築いたプラン35

10月10日(土)
今日はタイトル通りメインディッシュの続きとなりますので、少し動いてお腹を空かしてから御覧下さい。
先ず、目に飛び込んでくるのが乱形石貼り手前の五分貫(ごぶぬき=15mmの板)です。特に変わったものではなく、その辺で簡単に手に入ります。この板が実に素晴らしい仕事をしてくれます。私が描いた図面を基に”職人様”が地墨を出します。
杭を打ち込み、その地墨に寄り添うようにして、板がセットされます。
何の変哲もないたった一枚の板なのですが、この板がセットされただけで、周囲の空気感が変わった気がしました。

アプローチや隣接する門柱麓の植栽帯に使ったピンコロを、直線的に配してしまうと、少しドライ・閉塞的・入ってくんなオーラが出るような気がして両方とも全面道路からの動線に対して丸みを持たせて、”いらっしゃ~い”のどうぞどうぞ感を出せるのでは...と考えました。
無論、これは感覚的なものなので、違うとらえ方も当然あるでしょう。
ましてやセンスなるものを母のお腹に置き忘れて生まれた(父は母に三人目の私は要らんとのたまったそうですが)私の大きな勘違いである可能性も否定出来ません。
御覧になられた皆さんは、どんな印象を持たれたのでしょうか?