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敷地の中心で 蝦蛄を食べる uni(ユニ) ブロック積んで ガレージ建てて フェンスで囲う di(ジ)

400枚にも上る数のブロック積み工事の後はガレージ設置工事です。先ずはお客様と決定した位置を確認し、遣り方を出します。ガレージはメーカーの規格の製品なので、やらかしてしまうとガレージ設置の”いの一番”土台敷き込みの際に合致せず、やり直しという苦渋をなめない為に、十二分に確認しながらの作業です。
ちなみに今回のタイトル di(ジ)は化合物の名称以外ではあまりお目にかかりません。相反する二つの事の板挟みになって、どちらとも決めかねる状態 を意味するジレンマくらいでしょうか?化合物名であれば、パラジクロロベンゼン(医療用の防虫剤)やジメチルエーテル(スプレー噴射剤・燃料)など他にも山ほどあるのですが(よっ 化学受験!)サブタイトルのuni(ユニ)はラテン語でした。
余談はさておき、話を車庫に戻しましょう。


遣り方を出したら基礎工事です。ここで特に重要なのが”アンカーセット”です。これまた合わないと”いの一番”⇒合致せず⇒ケミカル⇒一生の汚点という負のスパイラルに陥るので回避するべく、目ん玉飛び出るくらいの眼差しで、基礎の天端とにらめっこです。


基礎工事を終えると、待ってました千両役者!
ガレージ本体の設置です。先ずは製品が過不足なく揃っているかメンバー表を見ながら出欠をとります。この際に重要なのは、製品にキズが入っていないか確認が必要な事です。製品出荷の際は、物流中にキズや水濡れなどの理由で製品が使えなくなることもあるので保険がかけられています。この保険は物流時限定という性質上、荷受け時には検品作業が必要となります。
気の利いたドライバーさんともなると、”中継点で梱包が破れているのに気付いたので、開梱して中身を確認して欲しい”と自ら自己申告される方もいます。その潔さにほだされて、見え掛かりじゃない位置のキズであればスルーしたりもします。正直者が馬鹿を見るなどと云いますが、世の中そう捨てたもんでもないですョ!


話題がそれている間も工事は進み、二次元だったガレージも2.5次元位にはなりました。
ウチの会社のエクステリア製品工事の場合専属の職人さんにお願いしています。職人さんと言うと、昔は仏頂面してぶっきらぼうで偉そうと三拍子揃っていて、何となく話しかけ辛いイメージでしたが、今ではそんな職人さんを見かけることも少なくなりました。身びいきの様ですが、特にこの職人さんは温厚で人当りも良く、優しくて力持ちの頼れる達人です。くまのプーさんを想像して頂けると良いのでは...
そんな達人がよく口にするのが、製品の種類が多く、メーカーも複数あるので当然違いがあり各製品毎に何十ページという施工説明書が存在するので、毎回それを読みこなすのが大変だということです。当たり前の事ですが、慣れた製品であれば説明書を読む必要もなく、滅多に出ない製品であれば、工事前に予習する場合もあるそうです。影の努力で達人の技量は成り立っていました。


脱線し続けている間も達人の手は止まることなく本体組立は終了です。シャッターの調整は、この後工程のコンクリート打設が終わってからとなるので、ひとまず左官さんにタスキをつなぎます。
実はガレージ基礎工事の後、製品入荷までの期間を使って、敷地全体の下地調整を行ない、クラッシャーラン敷均しです。
仕上げレベルを確認して下地調整を行ない、締固めたらクラッシャーランを惜しむ事なく投入心を込めて転圧します。これを怠ると、接道部では道路に持ち出してご近所迷惑となります。
また、ガレージ入口のコンクリート打設部との境界では引き渡し後に砕石敷き部分が沈んで段差が生じ、お客様の大切な愛車のタイヤに不要な摩耗を強いる原因となります。その様なダメ工事にしない為にも愛情をたっぷり込めて締固め作業を完遂しました。
続きは次回にご案内させて頂きます。

ブロック積んで ガレージ建てて フェンスで囲う mono(モノ)

以前新築の際にお世話になったお客様からお声が掛かり、外構工事をさせて頂きました。概要欄でも触れましたが、今回はタイトル以外の工事も含めて 大盛り 山盛り テンコ盛り となっておりますので、是非最後までお付き合い下さい。
ちなみにタイトルのmono(モノ)を御覧になられて懐かしいと感じた方もいらっしゃるのでは?
高校の化学の授業でお世話になったギリシャ語の数字で、化合物の命名に使う数詞です。身近な言葉としては、モノトーン・モノレール・モノラルモノクローム モノポリーなんて富豪のゲームもありました。monoは結構耳慣れた言葉です。
前置きはこれ位にして早速各工事を覗いてみましょう。

記念すべき第一回 1 mono(モノ) を飾るのは建築用空洞コンクリートブロック積み工事です。
今回は隣地境界側を除く二面の接道面の施工となりました。先ずはブロックを積む部分の床掘から”いっせーのせっ”です。
床掘という言葉を御存知ない方でも、掘削という言葉は耳にされた事があるのでは?どちらも掘るという作業を伴いますが、埋戻しをするのが床掘しないのが掘削です。今回は厚み120mmの化粧ブロックを使いましたが、掘る範囲はブロックの厚みよりももっと広い為、ブロックを積んだ後にその周りをお片付けの如く埋戻さなければなりません。
適正に根入れしないとブロックの倒壊となるので敷地の仕上げレベルに応じた深さで掘っていきます。
床掘が済んだらと締固めを行ない、砂利を敷いて転圧後に配筋し、均しコンクリートの打設です。

縦筋はブロック二列おきに@800mmで配筋し、ブロックを積んでいきます。今回手配したブロックは約400枚、水糸・水平器・コテを駆使しながら眼光鋭く、時には睨み、水平・垂直・出入りの三次元を確認しながら、奥義コテ叩きを繰り出して積み上げていきます。いつまでも二次元から抜け出せない私には、到底出来ない匠の技です。
動くと温まるので施工時期としては良好で、真夏であれば短時間で体力と水分を片っ端から持っていかれてしまい、夕方には明日のジョーのように灰になっちゃってます。

ブロックを積み終えると、天端と目地にモルタルを充填し、埋戻しをしたあと転圧します。
この後クラッシャーラン敷均しをを行なったのですが、残念なことに施工時の写真が無く、次回以降の工事写真で仕上りを御確認下さい。
では、また次の工事案内でお会いしましょう。

作業場より愛をこめて(From Workshop with Love)

御来店されたお客様が語られたのは”新たに仕事を始めるので作業場が欲しい!”という熱い想いでした。
お客様の頭の中には既に作業場で仕事をしているイメージが完成していたのでしょう。
弊社を訪ねて来られる前に、完成品を据付けるだけのユニットハウスも検討されたらしいのですが、前面道路の幅員が狭く、設置出来なかったそうです。大工さんに木造で建てて貰う事も考えられたそうですが、そこまでの規模でもなくて...。
小規模で定型でも支障が無い建物であれば、モジュール化して量産するメーカーの組立てハウスの方が、費用を抑える事が出来るのでご要望を詳しくお伺いしました。

作業される内容はごく一般的なもので、特殊な設備なども必要なく、リーズナブルな価格の普及タイプでサイズ9帖(1.5間×3間)を提案しました。
框ドア・掃出し・引違い窓×各1の標準で、他にこれといったご希望のオプションもなく、重量物設置部分には合板を敷込み、荷重を分散させて貰うよう案内する程度でした。
すんなりと提案を受領して頂き、いよいよ工事スタートです。

工事内容としては、基礎工事と本体組立工事という気象条件依存度100%の内容で、当然のように工程表では基礎工事7日(予備日含む)養生期間一週間、本体組立工事二人で3日 と予備日たっぷりてんこ盛りの工程となっていましたが、基礎工事四日弱、本体組立工事は職人さんの都合で、五人で一日というパワープレイにより、短工期に更に拍車がかかる工程となりました。

早い・安全・リーズナブルな価格で工事が終りようやく念願の作業場を手に入れることが出来お客様も大変ご満足されていました。

その門扉 好評につき

今回は県境を超えて熊本県は山鹿市にお邪魔しました。
暫くサッシの紹介が続いていたので久しぶりのエクステリア工事案内です。
お施主様から”関係者以外の人が勝手に入って来ないように敷地出入口に門扉を付けたい”というご依頼を受けました。
そこで、先ずは現場百回 なんて大層なモンじゃありませんが、現況を確認した上でお勧めすべき製品を選定することから、捜査は始まるので、早速敷地出入口を見せて頂きました。

敷地出入口は、大型車両が出入りしても支障がない ゆとりのある間口で第三者が大手を振って立入るのを、阻むものは皆無でした。6mの接道部分左右で約130mmの傾斜と、敷地奥から接道面に向かって勾配をとってある点が、製品選びの鍵を握りそうです。
帰社して調べたところ、開口幅6m超で勾配付・傾斜地対応ということで、製品が限りなく絞られてしまい、ノンレール・ノンキャスター・標準高1,100mの両開きで高低差が調整可能な製品を提案し、ご採用頂きました。
レールタイプやキャスター付きの場合、門扉設置部の床面は、フラットな仕上げが必要ですがこの製品はノンレール・ノンキャスターの為、勾配が付いてたってへっちゃらです。またG.L.から本体下端までの離隔を100~300mmの範囲で調整可能なため、高低差が200mm以内の傾斜地なら平気の平左衛門です。

製品が決まったら、お施主様への支障が少ない日に工事を設定し、いざ設置です。
一日目は柱の埋け込みです。設置部分には既に土間コンクリートが打設してあるので、埋け込むためには土間をハツリとる作業が生じます。
今回は土間併用なのでコア抜きとしましたが、そうでない場合は吊元の柱位置に500mm角・深さ500mm以上の穴掘りが必要で、廃土を詰めた土嚢袋が苦しそうに悲鳴を上げます。
既設の土間は打設厚が半端なく、当然鉄筋がしっかりと敷設されているので、これまた一仕事です。柱の位置出しをしてレベルを確認し、柱を埋け込んだら初日はおしまいです。
2日目は、門扉本体を吊込み調整を済ませるとシュッ とした門番さんの誕生で、工事は終了です。

”この先は通さない!”と云わんばかりに敷地への侵入を防ぐ門扉は、現在世界中の話題をさらっているサッカーのゴールキーパーをも凌ぐ頼もしさで、これからは枕を高くして休めると、お施主様にも好評でした。

雨に打たれて 風に吹かれて

既設の2台用カーポートには、隣地境界側面に上部一段だけサイドパネルを付けていましたが、パネル⇔境界ブロック間からの雨の振り込み・風の吹き込みが”頭痛の種だった!”と御主人の弁。
既設サイドパネルの下に一段パネルを追加しても良いのですがお客様・担当者共に”台風などの強風時に枕を高くして寝たい”という合意のもと、今回はフェンスを設置する事になりました。


フェンス本体の高さはMAXの1,200mmで、既設サイドパネルへの重ね代が必要となる点・既設ブロックに柱を建てる場合は柱の位置にコア抜きが必要となる点、以上二点を考慮し、(ちょっぴりオシャレを意識して)化粧ブロックを一段増し積みした後にフェンスを建てました。

カーポートのサイドパネルの場合、柱間には補強柱が建つものの柱からパネル端部までは持ち出しとなります。
パネルが二段ともなると持ち出し部の面積も増えることから、”頭痛の種”が”台風時の不安”に様変わりします。
その点フェンスの場合は、端部にも柱を建てるので安心出来ます。
さらに望めば、柱ピッチを2m以下から1m以下に短くすれば、耐風圧強度も34m/sから42m/sにグッと増すことだって出来ます。

着工前は雨風をしのぐ事が最優先で、見た目は二の次という印象でしたが、想像を上回る出来上りに、とても満足されていました。
そして何よりも、”雨の振り込み、風の吹き込み”のストレスから解放される歓びを噛みしめていらっしゃるかの様子でした。