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無憂樹 沙羅双樹 菩提樹

お釈迦様がその下で悟りを開いたとされる聖木シューベルトの連作歌曲集「冬の旅」の中で最も有名な第5曲のタイトル(Der Lindenbaum)でもある菩提樹は、トステムの玄関引戸として昭和58年華麗にデビューを飾り、障子のデザインやカラーバリエーションは減りましたが、現在でも第一線で走り続けています。

築年数50年超の今回のお宅の玄関は、最近ではあまり見られなくなった木製引戸で、永年住まいを守り続けてきた風格を感じます。取替えてしまうのは惜しい気もしますが、足元には10cm程の段差があり、開閉にも支障が生じ始めていたのでお施主様には思い入れを振り切って頂きました。

今回の工事では、下枠埋け込みの為、サンダーを入れてハツリ取る必要があり、屋内で粉塵が浮遊しない様に、シートで養生後、サンダーが吐き散らす粉塵を集塵機から伸ばしたホースで呑み込みました。その後、組上げたサッシ枠を建込み、建ち・陸を確認したら、下枠の周囲をモルタルで補修します。
カバー工法ではなく、ハツリと補修作業が必要だった為、1日で終わりませんでしたが、手間ひまかかった分、申し分のない仕上りとなりました。

工事後、和風住宅に合う伝統的な格子を生かした”菩提樹”はまるで、永年そこに居たかのように、違和感なくとけ込み、ぴったりとハマり過ぎで、お施主様もあまりの違和感のなさに不思議さを覚えずにいられなかったそうです。

だれだっ だれだっ だれだ~  ウチのガラスを割ったのは

四枚建の掃出しが立ち並ぶ開放感あふれる広縁そんな憩いの場のガラスを、心なき者から割られてしまったと伺い、現地を訪れてご意向をお聞きしました。
今回は被害に遭われたという背景から、防犯・安全性の優先度が高く、合わせガラスも選択肢に残りましたが、同時に断熱性能も求められていました。

雨戸は引退には未だ早い現役世代なので、力の限り働いて貰い、サッシ本体を気密性・断熱性に優れた現行製品に取替え、(特殊中間膜を挟み込むことで耐貫通性を高め割れても破片が飛散しにくく、台風や地震の際も安心の)安全合わせ複層ガラスを使うというプランで大筋合意を得ました。
ここで、取り替えるサッシ本体ですが、新築時に取付けるサッシの場合、サッシ周囲の壁に手を付ける必要があり、取替工事の期間は仮塞ぎなどの開口部養生が不可欠となります。しかも、完璧な養生となるとご負担頂く費用上難しく、外出を控えざるを得なくなるのが実情です。

そこで、現在お勧めしているのが、一日で窓リフォームが出来るカバー工法のリプラスです。古い窓の上から新しい窓を取付けるだけの簡単施工で一日で取替えできるため、仮塞ぎなどの養生が不要となります。

今回使用した専用枠の場合、取付け可能な既設窓の種類は限られますが、下枠部分の段差を小さく納めることが出来るので、見た目もスッキリ仕上がります。また、段差は少しつきますが、様々な種類の窓に取替え出来る汎用枠というタイプもあります。

今回は2間と1.5間の掃出しの連窓だったため工事に二日を要しましたが、通常は一窓であれば一日でちゃっちゃと完工です。

工事後の仕上りにもご満足頂き、防犯性と断熱性を同時に手にされ大変喜ばれていました。二日という短工期も満足度を高める要因となっていて、製品提案の際から、カバー工法の説明に興味を示して頂けました。大変お世話になりました。

ご覧の通り今回も無事安全第一で工事終了です。
次回も、ご安全に!

勝手知ったる マイスター・マエストロ・マスター?

タイトルはドイツ語・イタリア語・英語が狂喜乱舞しておりますが、私立理系出身なので、純和風に話を進めて参ります。
今回お世話になったのは西鉄柳川駅から徒歩一分の好立地で飲食店を営まれている古蓮さんです。
創業五十年を迎えられたこのお店では、こだわりの国産鰻を使った柳川名物せいろ蒸しや柳川なべオリジナル商品で大好評の古蓮丼などを、存分に堪能できます。いけない、食べ物の話題で想像が膨らみ、甘やかすとつけあがる”三段腹”が鳴ってしまって。
今回のお施主様からのご依頼は”換気したい”というフワッとした内容で、先ずは詳しいお話を伺おうとお店に向かいました。
こちらの調理場では相当の火力を使われるため、夏場は熱風との闘いとなるので、作業環境を少しでも改善できないかと長年悩まれていました。
そこに、ここ数年のコロナの影響が背中を押し、今回のお電話となったようです。

ご意向を確認後、先ずは勝手口を見せて頂いたのですが、取付けられてから働きづめだったとみえて、枠・本体共にイタミがはげしく、ノータイムで後付けの網戸ではなく採風機構が標準仕様のリシェント勝手口ドアを提案しました。
標準仕様の2ロックに加えて、特殊中間膜を挟んだ安全合わせガラスを御採用頂き、防犯性もUP。
メインディッシュが決まると次はオードブル。
ここでやらかすと、折角のメインが台無しという重責の玄関ですが、サッシ本体は未だ十分現役バリバリなので、今しばらく務めを果たして貰い、施工性に優れた網戸しまえるんですαを二ヶ所に設置しました。この製品はプリーツ状の網戸で、使わない時は折り畳んで幅90mmとスッキリ収納できます。型崩れしにくい、風による変形にも強い、無用な季節には簡単に取外しができ、いつでも気軽に丸洗いが出来るという生徒会長並みのエリートです。

今回オードブルとなった玄関網戸の取り付けは、スピード違反で赤切符を切られそうな勢いで完食しました。
メインディッシュのカバー工法リシェント勝手口ドアも、下枠部のモルタル補修を含めて約五時間でペロリ!
取替前のフラッシュタイプに比べて明るく風通しもよくなりました。

”あるだけ”の出入口から風の通り道を確保して、採風性が向上した事により屋内環境が改善され、お客様を安心して迎えることが出来、店員が快適に調理場に立つことが出来るようになる、とお施主様にも大変ご満足頂けて、ようやく肩の荷が下りた気がします。

恋とコーヒーと工事 欠かせないのは手間と暇 こぼれ話

初日:リシェント玄関引戸、二日目:雨戸一筋三・四日目:雨戸サッシに続いて五日目には、玄関左に位置するはめ殺し窓を、サーモスLのFix窓に取替える工事を行ないました。
こちらもサイズこそ小さいものの、台風時には心配の種になり得る存在で、防犯面でもガラスを割って玄関のカギを壊し侵入されるのでは、という不安がすくすくと育って実ってしまい、”この際一緒に取替えてしまおう”という事になりました。

そして、どうせなら1ランク上の安全を、という事で、視線をカットしながら防犯性を向上させる安全合わせ複層ガラス乳白タイプを採用し、無条件の安心を手に入れるための工事となりました。

工事はスムーズに進み半日ほどで終了し、耐風圧性と防犯性の二重の安心を掴み取りました。
実を云うとこの他に、勝手口ドアも大分お疲れのご様子でフラッシュドアを取替えたのですが、大人の事情により詳述出来ない旨、お察し下さい。

その参でも紹介しましたが、こちらのお施主様は工事内容の説明に対しじっくりと耳を傾けて頂きその姿勢と傾聴能力には感嘆せずにいられませんでした。
実は、玄関から西に位置する居間までの外壁を、窯業系サイディングで仕上げたいというご要望をお持ちでした。ただ、建物の前でサイディングのカタログを広げても、仕上りがイメージできないという声を耳にして、CADでイメージパースを作成し、現地で対応させて頂きました。この対応にも大変ご満足されて、丁寧な謝辞までお掛け頂きました。
また次回の工事の際にもご用命頂けますよう 社員一同 心よりお待ちしております。

恋とコーヒーと工事 欠かせないのは手間と暇 その参

三回目にご紹介するのは、工事初日に施工を済ませていた玄関引戸の取替工事です。
そもそもこの玄関引戸の取替は、台風対策として検討されたそうです。サッシ取替の際によく耳にするお話ですが今回も違わず、これまでは台風襲来の度にご主人自ら養生されていたそうですが、寄る年波には勝てず、心配しなくて済むような取替えを望まれていました。
そこで、現在主流となっているカバー工法の、リシェント玄関引戸を提案し、ご採用頂き工事に着手しました。

前回ご紹介した広縁の雨戸サッシと同じく既設はランマ付の障子でした。こちらもランマが付いているせいで、折角のメインの引戸が息苦しそうに見えます。
” この際ぶち抜いて、縦方向の重厚感と解放感を手に入れましょう ”と、ランマ無しをお勧めしました。

障子のデザインは格子幅が少し太めの板子格子色は”シック”さが漂い落ち着きを感じる柿渋調更なる安心感を追求してガラスは防犯合せ複層とし、まさに三本の矢で台風を迎え撃つ準備は整います。
ここで登場するのが前回ご紹介した我らが頼れるヒーロー”大工さん”で、実を云うと初日からお施主様のお眼鏡にかなっていたのでした。

施工性に富んだ製品と、大工さんのゴッドハンドにかかれば、少し疲れが見え始めていた玄関もアッという間、一日で別人28号です。
見るからに頑丈でどっしりとしたたたずまい、これで台風情報にびくつくこともなくなると、安堵感一杯一杯テンコ盛りのお施主様でした。
今回の工事において、お施主様からの厚い信頼を得る事ができ、営業や業務など工事に携わった全ての者が、達成感でお腹いっぱいにさせて頂きました。
大変お世話になりました。