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時をかける障子③

いよいよキッチン改修工事も大詰めです。 メインディッシュのキッチンがテーブルに 並び、クライマックスを迎えます。

工事の進捗に従って、様々な物が然るべき位置に座り始めても、何となく出来上っている感が薄いのですが、仕上げ工事の前後で現場は見違える様に生まれ変わります。
メイン写真と施工前写真の大きな違いは、内装仕上げ工事のクロス張りが終わっているかどうかですが、まるで別の部屋の様にさえ見えてしまいます。例えるならお化粧する前のスッピンの顔と、バッチリメイクした後の顔の違いといったところでしょうか?

メインディッシュのシステムキッチンもドッカリと鎮座し、全ての料理がテーブルに並びました。
先日は丸裸にされ、恥ずかしさを隠し切れずにいた通し柱も、キッチンパネルで四方共にお化粧を済ませ、上機嫌のご様子です。
背面には、東から引っ越してきたボリューミーな冷蔵庫が、早くも我が物顔で主の様に腰を据えて周囲に睨みを利かせています。
また、背面収納腰上の壁面には、奥様懇願の色のアクセントクロスが張られていて。ついつい目線が向いてしまいます。
玄関の直通ドアには閉まるときの衝撃音緩和効果を期待してのソフトモーション機能付ドア。
60Wのダウンライト4灯が怪し気な光を放ち、人々を惑わします。 ”イヤイヤ、この雰囲気は写真の撮り方のせい!” とは撮影者の弁。

工事が終わってみれば、兎に角スッキリ整然としている点にインパクトを感じました。
振返ると収納スペースはあるにはあったのですが、昇降機能の付いていない吊戸棚など使い勝手が悪く、普段使わない物ばかり閉じ込めてしまうお仕置き部屋的な存在になりがちです。
さらに今回はシステムキッチン廻りの上部収納スペースを排除し、隣接した位置にゆとりのあるパントリーを設けたことにより、今まで納まりきれなかった様々な物が、フロアーユニットやパントリー内で、お行儀よく ”前にならえ”しています。
そして最後に奥様こだわりの還元水素水生成器(医療機器認証取得済)。写真を眺めているだけでも健康になれそうな気がします。
以上がゴールデンウィーク中のキッチン改修工事の全貌です。

工事前に相応の構想期間を設け家族会議を経ての工事だっただけに、完工の喜びは家族全員で分かち合ったとの事です。
これからの人生、いろいろあると思いますが、何かあった時には、このキッチン改修工事を思い出してみて下さい。

時をかける障子②

前回に引続き 今回はキッチン改修工事パート2です。

今回の注文は、作業動線を考慮し、如何に動線の無駄をなくすかという点、かといって窮屈や狭いといった閉塞感を感じる様では、かえって動きに制約が生じ、それ自体がストレスとなってしまうので、適度なゆとりのある空間を創るというものでした。だって、全く遊びの無いハンドルなんて怖くて握れないですものね!
また、冷蔵庫やストックスペースへの動線を無駄なく確保するという点も大命題の一つです。
全てを身近に配置しようとすると無理が生じるので、使用頻度に応じて優先順位を決め、置き場所を振り分ける事にしました。

外壁のサッシ入替が終わると屋外では透湿防水シートの上から窯業系サイディング張りです。
サイディングも奇をてらうことのないホワイト系の一番飽きのこない色・柄で、これから先の長きにわたり雨風を凌いでくれること間違いなし!
室内に目を向けると、通し柱は身ぐるみはがされてちょっぴり恥ずかしそうです。
オーダーメニューの ”玄関からの動線” に対しては、直接キッチンに出入り出来る様に、ジェリコの壁をブチ抜き開き戸を設けました。
システムキッチンの移動にシンクロさせてレンジフードからの排気も北面から東面にお引越しを済ませ、ダクト工事も万端です。
今回もそうなのですが、工事の過程で、スペースを占有していた様々な物を撤去したり後に、よく見てみると ”こんなに広かったのか” と改めて感じたりします。
広さを再認識した以上、改修工事終了後に再び窮屈感を感じることが無い様に、出来上がりを何度も何度も頭の中でシミュレートします。

主役のシステムキッチン登場前に、あらかじめ腰壁を造作し、フリー板をのせ、料理同様素材を生かすクリア塗装を施せばカウンターの出来上りです。夕食後にグラスを傾ける晩酌の光景が目に浮かびます。1~2杯お酒が余計にすすむ事、間違いないでしょう。
上部に垂れ壁やウォールキャビネットを配すと収納面では利便性が増すのですが、圧迫感を感じずにはいられないのと、空間を隔ててしまい”あなた作る人 私食べる人” 的な感じにもなりかねず、折角のスペースが台無しに...。
解放感をゲットする為、迷うことなく、上部はフルオープンにしました。これで、忙しい調理の間も家族の対面での会話が途切れる事は無いでしょう。時には、忙しそうな表情の奥様を察して、優しい御主人がそっと手を差し伸べるなんてこともありそうで、夫婦円満の一助となってくれそうです。
さて今回は、内外壁・内部腰壁・ダクト工事を済ませたところで終了。
次回はいよいよメインディッシュの配膳です!
お楽しみに。

時をかける障子①

メイン写真からも見て取れる様に、台所にはありとあらゆる武器が溢れていて収集が付かなくなっており、お世辞にも機能的とは言い難い状況でした。
日々の科学の進歩に伴い、多種多様な便利グッズが増えるのはとても有難い事なのですが、十分に作業動線を考慮した上での配置でない場合には”宝の持ち腐れ” ッてな事になりかねません。
奥様のフラストレーションが限界に達し、ストライキが始まる前に思い切ってダイニングキッチンの全面改修工事に着手する運びとなりました。

既存のシステムキッチンはI型壁付で、キッチン前面には収納一体サッシが付いていました。一見良さ気な感じもするのですが、あまり使い勝手が良い訳でもないので、冷蔵庫等の移設も考慮した結果、既設サッシを撤去した上で、間口・高さ共ダウンサイズして17407の単体引違としました。
次に、主役のシステムキッチンのプランについては、 ”家族会議” です。とは云うものの会議とは名ばかりで、台所の絶対君主である奥様の ”鶴の一声” により  デュアルトップ対面  に決定。
ここで異でも唱えようものなら、夕飯のおかずや日々を生き抜くための糧となる晩酌に、多大なる影響を及ぼすことは火を見るよりも明らかであり従う以外の選択肢は残されていませんでした。
どうせ手を掛けるのですから、これを機に、永年台所を守ってきたウォールキャビネット・フロアーキャビネットと共に、食器洗い乾燥機や浄水器も謝意を込めた上で勇退して貰う事にしました。

よ~いドンで工事開始。
とっぱちは外壁を剥ぎ、既設サッシを外します。
お疲れ様の労いの後、新設のサッシサイズに合わせて木下地を組んでいきます。
換気及び採光の為に開口部を大きくとる重要性も承知してはいますが、水回りはどうしても吊下げたり引っ掛けて水を切る武器が多いので、壁面が多い方が使い勝手はアップしそうです。
特に、今回は東面から冷蔵庫がお引超ししてくるので、十分に働いて貰う為には相応の場所を提供してあげないと...。
断熱材はチョットだけ奮発してスタイロフォームを使用しました。金に糸目を付けずに3bD種 といきたいところですが、懐具合もあるので、建築現場で一般的な1bC種で手を打ちました。
さて今回は、新しいサッシを取付け、断熱工事を済ませたところで終了。
この先のお話は次回にまた詳しく。

お湯かけて 横から

浴室の改修と云えばそれなりの出費は否めません。
当然数社から見積をとられていましたが、ある日弊社のHPを見られたことが、御来店のキッカケとなった様です。
担当者の迅速な対応をご評価頂き、いざ工事へ!

在来のタイル仕上げの浴室、換気の為と思い頑張って間口目一杯に設けた窓ヒートロスの大きい真冬には、寒気が容赦なく躰を襲い、入浴意欲さえ奪っていきます。
若い時であれば チョット我慢 と昔のスポ根もありかもしれませんが、齢を重ねてしまうと、一歩間違えばヒートショックで病院に な~んてこともあり得ます。

カウンター・ミラー・収納・シャワー
フック・手すり・タオル掛けなどが、所狭しと椅子取りゲームを始めてしまう貴重な浴室の壁面。換気は本職の換気扇に任せる事にして窓はちょっぴり控え目にダウンサイジング。
工事が無事終わってしまえば、真冬の寒さにも臆することなく入浴出来ちゃう、シュッとしたバスルームに様変わりです。
日々の暮らしの中で、大切な心と身体を癒してくれるバスルームのひととき一生という長いスパンでとらえれば、それ程贅沢な出費にならないのでは?
貴方の健康維持の一端を担ってくれるバスルーム 貴方に合った空間探しをされてみては如何でしょうか?

動かないラッチ 文字通り”らちがあかない”

対象は築年数が40年にもなろうかという、RC(鉄筋コンクリート)造のアパートの浴室ドアで不具合に関するお問合せを受けて、太宰府まで足を延ばして来ました。
到着後浴室に向かうと、ドアが半開きで”ア~ん”していました。よく見るとラッチ(建具の小口面から出入りするベロのような金具で、このベロが入る受け金具がストライク って、ネーミングセンス良過ぎでしょ)が錆びついて動かず、サッシ本体もかろうじて生き延びている様子で、部品交換に留めても、そう遠くない将来、本体が天寿を全うすることは明白なため、サッシ丸ごと取替えることになりました。

既設サッシは中桟付きの片開き框ドアで、上下共に型板ガラスが入っていました。他のサッシと同様に壁をイジると工期が長引き、銭湯通いの日数が増すので、”簡単に・パッ”と交換出来るリフォーム用浴室ドアのカバー工法タイプを採用しました。
他のカバー工法の製品と同様に、施工性が優位であることは変わりません。割れにくく安全性の高い樹脂パネル、ビードを脱衣室側に配置して掃除がしやすく、カビの発生・浸透を抑えたパッキン浴室内の湿気放出用として下桟に換気口を内蔵など、なかなかの優れものです。

施工の流れは、既設のドアまたは折戸を取外し既設枠の上から新しい枠を取付け、取合い部にシーリング処理を施し、新しい折戸を吊り込めば、アッという間に工事終了。惜しむべくは、銭湯に行くチャンスを奪った事です。
今回はコンクリートに固定する為、既設アルミサッシ枠にビス用の穿孔、躯体コンクリートにあと施工アンカー用の穿孔、と双方に穿孔作業が生じます。それでも工事は4時間で無事終了帰路は鼻歌まじりのドライブとなりました。

ヨレヨレだったドアが銀ピカになり、浴室内を美装されたこともあって、まるで別のお風呂に生まれ変わったようで、お施主様も大変喜ばれていました。

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