今回は補助金活用を前提としてマドの断熱改修を比較した事例です。
未だ寒さ厳しい二月上旬、補助金を活用してマドを断熱改修されたいというお電話を頂きました。
補助金を活用したマドの断熱改修の際、コストパフォーマンスだけに焦点を絞れば、内窓設置に勝るものなし です。しかし内窓設置の前提且つ絶対条件は、既存の外窓を取付けている躯体及び外窓そのものが、健康体である事です。躯体の建ち・陸が狂っていたり腐食している場合には、内窓は選択肢から外さなければなりません。十年前の低スペックのPCに最新のアプリをのせても無意味です。この場合、外窓交換以外の選択肢は残されていません。
外窓交換の場合、道は二つに分かれます。製品価格は張るが切った張ったが少ないので養生不要、取替後周囲の補修も不要で短工期で済むカバー工法。外窓の周りを剝ぎ取って既設枠を取外し、新しいマドを取付けた後に周囲の補修を行なうハツリ工法。マドの状況によっては、選択肢がどちらかに限られる場合もあります。
前述の通り、お客様は既に住宅省エネキャンペーン2024の補助金についてご存知でした。昨年から始まり二年目の五月になりますが、未だにご存知ない方もいらっしゃるようです。周知活動の至らなさについて、痛感せざるを得ません。
当初は家全体の開口部断熱を検討されたいとのご意向でした。1・2階合わせて10を超えるマドと玄関引戸です。玄関引戸単独では窓リノベ24の補助対象外ですし、子育てエコの申請下限額5万円にも達しません。ですが、マドの補助対象工事で窓リノベ24の5万円の申請条件をクリアすれば、敗者復活の芽が生じます。1ストップの同時申請により、子育てエコの申請下限額が2万円に下がるので、補助金活用が可能となります。やるやらないはともかく、検討に値するでしょう。
現調の結果、外窓の方角や現状の歪みの有無や躯体や外窓自体の健全性などを考慮し、外窓交換と内窓設置のマドとに大別します。さらに外窓交換については、ハツリを伴う工法のサーモスLとカバー工法のリプラスの2パターンについて見積額と補助予定額をご提案して、比較検討して頂きます。
プレゼンの後、お客様は熟考を重ねられました。先ず、外窓交換についてはお財布に優しいサーモスLに軍配が上がりました。後は対象のマドの絞り込みを行ない、各々に付いて外窓交換と内窓設置のどちらにするかの選択です。
今回玄関は見送られることになり、対象のマドは五つとなりました。当初担当者は、対象のマド全てについて外窓交換を提案しました。しかし、費用を負担されるのはお客様ですので、あくまでも提案の域に留めます。これにより、2階の北東・北西のマドは、もう少し既存の木製雨戸に頑張って貰うことにして、インプラス設置に決定です。
2階南に面する二つのマドは、風の影響を考慮してこれを機に木製雨戸の勇退決定です。今までお疲れ様でした。
最後まで悩まれたのは北に面する台所のマドでした。お客様としては費用負担の面から内窓設置を希望されました。ですが、マド専門店と名乗る以上適切なご提案は不可欠です。間口1.5間・高さ2.5尺・4枚建のマドは歪み・ガタつきが生じていました。不健全な外窓に健康な内窓を取付けても長持ちしません。時間をかけて丁寧にご説明した結果、外窓交換をご採用して頂けました。お客様のご意向を第一に考えますが、短命に終わるような内容については、固辞せざるを得ません。その点につきましてはどうか一つ おサッシ 下さい。
今回の工事でも、我らがスーパーヒーロー 大工さん🔨 のゴッドハンド👏は大活躍でした。工事の際のエピソードをインタビューしたところ、最後まで悩まれていた台所の外窓交換は難儀だったそうです。サッシ枠を固定しているアングルビスの上にタイルが張り被せてあり、取り外した後のアルミ枠を見てみるとグニャグニャになっていたそうです。大変お疲れ様でした。
今回も大変お世話になりました。未だ活用出来る補助金の枠は残っています。断熱改修後の効果を実感された上で、他の開口部断熱改修についても是非ご再考願います。
それではまた、どちらかのお宅の事例案内でお会いしましょう。