とにかく寒さをしのぎたい という思いが、内窓設置につながりました。
こちらのお客様は、二月初めにある取引先からご紹介して頂きました。取引先の奥様の友人ということです。これは、粗相など許されませぬ、気を引き締めてかからねば!と、奮い立つ思いでお客様とのファーストコンタクトに挑みました。
お客様との会話から、補助金について既知であり、ご自分で色々と調べられていると察しました。相談に際しては、既に拠出可能な予算も組んでおいででした。
先ずはインプラス設置を希望される対象の窓を伺い、現調・採寸の後、見積書と申請出来るであろう補助金試算額の作成です。
さて、設置希望対象の窓はというと、浴室・脱衣所の間口一間高さ三尺の引違窓各一箇所、和室と寝室の間口一間の掃出し各一箇所と出窓二箇所の計六箇所でした。プレゼンにより、窓リノベ24という補助金の魅力は十分に伝わりました。が、予め組まれた予算もあるので出窓二箇所は見送って、今回設置するインプラスの効果により再検討される事になりました。活用出来る枠は200万円で、未だ申請受付開始前という時期です。1,350億円の補助金が直ぐに枯渇する事もないでしょうから、慌てずじっくりいきましょう。
今回、お客様の内窓設置を後押ししたのは間違いなく窓リノベ24です。しかしながら、お客様は元々寒さを得意とされていませんでした。設置対象も浴室・脱衣所の極寒ツートップと開口面積の大きい和室と寝室の掃出しです。
和室においては、開口部により生じる熱損失を補う努力をされていました。内障子にプラダンを貼られていたのです。子供が好きな食べ物ではありません それはグラタンです。人気のバスケ漫画ではありません それはスラダンです。イタリアの高級ブランドではありません それはプラダです。と、いい加減にしないとクビが危ういので本題に戻ります。
プラダンとはざっくりプラスチック製の段ボールです。段ボールと同じく板状で断面は中空です。プラスチックの素材には沢山あって、名称の後に略号が併記されています。ポリエチレン(PE)・ポリスチレン(PS)、塩ビという呼び方をされるポリ塩化ビニル(PVC)・ペットボトルでお馴染みのポリエチレンテレフタレート(PET)・ABSってよく目にしますがアクリロニトリルブタジエンスチレン何て名称だったとは。プラダンの素材はご存知の方も多いポリプロピレン(PP)です。段ボールの手掛けに二本掛かっているのはPPバンドが多いのではないでしょうか?優れた素材で紫外線を苦手とするなど弱点はそれ程多くありません。断熱性もあるのでこちらを内障子に貼り付けて、熱損失に抗われていたのです。
ということで、出窓二箇所は選外となったものの、四箇所はご用命して頂けました。所定の手順を済ませて発注を掛けたところ、幸い未だ申請受付開始前の為、発注後実質二週間ほどでの製品入荷となりました。
入荷後二日目の早朝から、少し距離のあるお客様宅へと出発しました。毎朝日課としているお茶出しが出来なかったのが、唯一心残りです。
到着後は礼節を重んじて挨拶を済ませると、始業前点検・清掃を励行し、養生及び資材の準備を整えたら、待ち構える外窓と相対します。
和室の外窓にとっては、長年連れ添った相棒の内障子と今日でお別れとなります。内障子が歩み続けた敷居・鴨居の4・7ミゾが、樹脂材で埋められていきます。万感の想いを胸に内障子は去って行くのでした。
振り返ってばかりもいられません。きちんと前を向いて、ニューパートナーを迎え入れます。今回の相棒は、掃出しの大きい障子をしっかりと支えてくれる耐久性抜群のアルミレールです。また、15ミリの立上りを緩和する為に、下枠の手前にアタッチメントを取付けます。このアタッチメントが畳に掛からない様に、その分チリ寸法を大きく取らねばなりません。
枠を固定する為のビス締める前には、チリ寸法を確認して固定位置を決めると、錐で下穴を開けます。木割れ・ビス折れ・固定位置ズレ防止の為、下穴は必須です。
手間・暇惜しまず作業した結果は、仕上りという形のご褒美として帰ってきてくれます。作業終了後の確認・片付け・清掃・お引渡し時の説明及びご挨拶を済ませて、いつもより少し長い帰路に就きました。
今回も大変お世話になりました。未だ三月、朝晩は冷え込みますのでインプラスの効果を体感して頂けると思います。今回見送られた出窓二箇所、ゆっくりとご検討下さい。
それではまた、どちらかのお宅の事例案内でお会いしましょう。