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推しの戸

今回は飼われているペットの為に、木製片引戸をアルミと樹脂を融合させたハイブリッドドアに取替えた際のお話しです。

 こちらのお宅では猫を飼われていました。
 どんな猫って?子豹を思わす豪華な毛をまとった、ベンガル猫です。マッチョなボディにシルクを思わせる手触り、野性味溢れる外観に反して愛想が良く温和、注いだ愛情を倍返ししてくれるというペットの鏡的存在で、毛色や模様によっては希少な故に、入手が難しいそうです。っていつからネコ専門店に商売替えしたの?って、まあそうおっしゃらずに、動物好きに悪い人はいないって云うじゃないですか!
 今回のご依頼にはこの猫さんも一枚かんでいて、居室から車庫への通用口は木製片引戸で隔ててありましたが、開けたままだと溺愛する猫さんが出て行ってしまうので、開けっ放しにも出来ない、でも採風はしたい という二律背反的願望をお持ちでした。

 ご希望の通用口を覗かせて頂くと、採光タイプの片引戸が付いていました。
 猫さんにとってはこの引戸が、ウォールローゼ、車庫の入口がウォールマリアとなっていたのでしょうか?
 キーパンチしていてふと気になったのですが、猫さんは普段どんな物を食べているのでしょうか?盆や正月でもないのに、きっと私には手が出ないような高価な缶詰などを食していたのでしょう。エンゲル係数が高い私などとは比較出来ないほどの贅沢な食事を...。
 寄り道はこれ位にして本題に戻ると、既設の枠はそのままで良いとの事で、片引の戸先側の縦枠から方立間にかけて、木枠と同面になるように下地を造作し、そこにサッシ枠をはめ込むのが最適と判断しお客様に提案しました。
 これによりお客様の二つの願いは叶うので提案を受入れて頂きました。
 工事当日はダブルヘッダーとなっていて、午前中はこのお客様所有の借家において、勝手口ドアを取替を済ませました。リシェントをお勧めしたのですが、2~3年後には解体されるとのことで、ロンカラーガラスドアへの取替となりました。

 午後はご自宅で、通用口ドアの取付です。
 養生を済ませると、先ずは木下地の造作しクリアランス内の開口寸法である事を確認します。
 次に造作した下地部分にサッシ枠をはめ込み、タチ・ロクを確認して枠を固定します。
 枠を取付けた後は、障子の吊り込みです。この段階では網付きの格子は未だ取付けていません。網付格子は網戸や硝子の清掃に配慮して、着脱出来るようになっています。
 調整・清掃・片付の後、お客様への取扱い説明を済ませ、お客様に工事内容を確認して頂くと、本日二試合目もゲームセットです。
 お疲れ様でした。机のPCで入力する文字ほど簡単な作業ではないので、現業の方には頭が上がりません。毎日ご苦労様です。

 工事終了後の製品説明の後は、お客様に自家製のアイスコーヒーを出して頂き、喉を潤しながら、愛してやまない猫さんのお話を拝聴しました。
 工事内容にとてもご満足いただけたようで会社に引き揚げる前に、”また何かありましたらお声掛けをお願いします。”とお伝えして会社に引き揚げました。
 最近良いカメラマンが入り、ネタをガンガン提供してくれるので、投稿するのもなかなか辛いものがあります。
 パソコンがストライキでも起こしてくれると有難いのですが...