今回は玄関から採風したいというご依頼を を頂いたお客様のお話です。
こちらのお客様とは大工さんを通してお仕事をしておりましたが、寄る年波に抗うこと叶わず、大工さんが廃業されてからは、直接ご依頼を賜るようになりました。
クリーンという言葉とはかけ離れたイメージで、肉体的にも結構しんどい建設業には、なかなか若者が長続きせず、高齢化の波が押し寄せていて、後継者不在を嘆かれています。
一方、一般のユーザーさんからも、建てた大工さんはもうやめられていて、何処に頼んでいいかわからないという声をよく耳にします。次の世代を担ってくれる若者を、どの様にして育成・定着させていくかは、建設業にとって大きな課題と言えます。
お客様の御要望は、玄関から採風したいというものでした。
既存の玄関ドアは外見は今風とは言い難いのですが、大切に使われているのが一見してわかる状態で、こういった所からもお客様の人となりをうかがい知ることが出来ます。
既存ドアの状態から、後付けの網戸を検討されているのかと思ったのですが、採風機能付きドアへの丸ごと取替を希望されていました。
確かに、玄関はジメジメした湿気や臭いがこもりがちで、かと言って流石にドアを開けっ放しで換気するのは不安です。本体に採風機能が付いていれば、ドアの鍵を閉めたまま採風出来る上、採風部の格子で外から手を差し込むのを防ぐ為、防犯対策上も万全です。
という訳で、採風機能付きドアの製品でお見積りする事になりました。
ではハツリとカバー、どちらの工法の製品を提案するかですが、その優れた施工性により短工期=1dayリフォームを可能とするカバー工法のリシェントをお勧めすることにしました。
玄関の場合、建物内の出入りに欠かせないので、日をまたぐ工事の場合、勝手口など別の開口での代替を強いることになります。
また、その期間中は終業時の養生と、作業開始時の養生撤去を繰り返さなければなりません。さらに、お客様によっては、工事期間中は外出を控えたい、休憩時にはお茶出しが...という方もいらっしゃるのです。
カバー工法の場合、短工期で済み、養生も簡易で済みます。そして、大事な事がもう一つ、工事に携わる業種が少ないという点です。
これにより、工事管理省力化や短工期を実現出来ます。
その分サッシ工事に特化した専門性が不可欠で、サッシ専門店にしか出来ない工事なのです。
プレゼンテーションではリシェントを提案し、そう迷われる事もなく御用命して頂きました。
今回の場合、工事に関しては施工上支障となる点もなく、一人一日程度で何事もなく終えることが出来ました。
この事例を入力する前に、工事に携わった社員に話を聴いたのですが、工事終了後のお客様は満足気な笑顔で玄関ドアをじっと眺めていらしたそうです。
そして、社員が一声かけると ”担当者に全部任せているから” と営業担当者が泣いて喜ぶ一言。
お客様から全幅の信頼を寄せて頂き仕事冥利に尽きる とはこういう事でしょうか?
少し、担当者がうらやましく思えました。(人間小っちゃ! オレ!)