今回は、ケガをする恐れのある 床面の段差を緩和したいという ご依頼を受けた際の話しです。
こちらの建物の通用口には段差が存在しており”通行時につまづいて ケガをしないと良いが”と 常日頃から管理者の頭痛の種でした。
御連絡を頂き、先ずは現地を訪れ、対象の通用口を拝見させて頂きました。確かに段差が存在し、段差が大きい場合には(車椅子の通行には不適ですが)目視で認識出来るので、つまづくこともないのですが、やっかいな事にmm単位と ”小指の想いで” 作りには格好の場所で、黄色と黒のゼブラが抑止すべく、注意喚起の任にあたっていました。
段差とのにらめっこを終え、普段カバー工法のリシェント施工の際に大変お世話になっている下枠段差緩和材の使用を提案し、採用して頂き工事の運びとなりました。
写真ではどういうものか分かりづらいという方には、ガレージなど敷地内への車輛乗入れ口に、黒や灰色の断面が三角形状のゴムが敷設されたのを思い出されると良いでしょう。今回は道路と縁石ほどの段差は無いので、あれのミニチュア版です。
机の上で線をひくのとはわけが違い、段差は全て一律に同じという机上論は通用しないので、複数の点で計測して高い方の天端から若干面落ち(目標は面一ですが、これまたありえないので3mm以下)で仕上がるように、製品のサイズを選定します。
今回高さ方向は6mmとし、緩勾配とする為に、奥行方向は55mmの製品を選びました。
施工にはそれ程の時間を要しませんが通用口という場所柄、人が通るたびに作業の手を止めていたのでは長引いてしまうので、極力人通りの少ない時間帯を指定して頂きました。
緩和材を敷設する前に、物が挟まっていたりすると、新たな段差を生じさせてしまうので、先ずはお掃除。現業は清掃に始まり清掃に終わる 誰が発した言葉か定かではありませんが、名言です。
長さや切り欠ぎ位置・寸法をメモして人通りのない加工場で加工します。
この時よく見かけるヒーマンエラーが長さを切り間違えたとか、左右・前後の切り欠ぎ位置を間違えたなどです。
長さについては、採寸の際に精度を高める為、メジャーの始点を10cmや1mといった点に合わせる場合があります。切断する時に、この寸法を足すのを忘れて短くて使えなくなったり、縦勝ち付き付けの窓枠切断時は、採寸寸法に横枠寸法の加算が必要ですが、足し忘れて産廃Boxの餌になったりとか。
切り欠ぎがある場合は、左右や前後が特定されるケースもあるのです。
大事なのは、加工位置の墨付けの後に一度製品を現地で当ててみて、目視で確認する事です。そして、加工後にも先ず製品をあててみて、間違いないか再度確認する事が重要です。
写真でもお判りの通り、弊社の優秀な技術スタッフは、やらかすことなくキッチリとした仕事を済ませてくれました。
何てたって、一級ですから!